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2017年4月25日火曜日

先輩たちは今 3

4月も早や下旬。夕暮れの繁華街では、新入社員のグループだろうか。真新しいスーツ姿の一団をよく見かける。「仕事も終わり、これから同期と一献」といったところだろう。

大阪新卒応援ハローワークで就職活動をし、今春入社した新入社員は今、各社で研修の真っ最中だ。大手新聞社で編集と広告営業部門で働き始めた女性2人も、新社会人としての一歩を刻んだ。

「入社式に臨み、とても緊張した」と語るのは編集記者職の女性である。

昨年の就職活動では全国紙や地方新聞社を中心に採用試験に臨んだ。大学時代はカンボジアに学校を建てるためのボランティアに参加、資金集めに汗を流した。記者志望は、弁護士である父の背中を見て育ったことがきっかけだ。「父は社会的に弱い立場の方の権利を守るために奔走している。私も市井の人々の声を記事で届けたい」と語る。

編集局の雰囲気は「スーツを着ている社員が少なく、驚きました。服装はラフで動きやすい靴を履いている方が多いです。雑然としてはいますが、人の雰囲気は穏やか。皆、もくもくと仕事をしています」

佳境に入った社員研修も「今は頭がいっぱいで混乱しているところです。新聞社内には複数の部署があり、各部を順番に回っています。テレビ欄の研修時には、女子フィギュアスケートの浅田真央さんが引退するというニュースが飛び込んできて、タイムリーな話題を扱う緊張感を味わいました」

就活中の後輩にはこんなエールを送りたい。

「私は今も変わらず、失敗だらけですが、何でも経験だと思うようになりました。うまくいかない状況の中から何を学べるのかを考えることで、少し前向きになれます。無理せず、体調には気を付けて」

初任給は、「自転車を買いたい」そうだ。


 

「新聞社幹部の話をじっくりと聞く機会もそう多くないと思うので、貴重な研修でした。同時に、経営面など業界を取り巻く厳しい現状をひしひしと感じました」

新聞社で広告や販売事業に携わる女性は、幹部の話に改めて身が引き締まる思いをした。

就活では、マスコミから印刷、IT業界まで幅広く回った。大手新聞社の記者職では何度も最終面接まで進んだが、夢は叶わなかった。

特に夏場は気力も体力も消耗した。「自分は本当に就職できるのだろうか。自分を認めてくれる会社はあるのだろうか」。相談窓口で涙を流したこともある。

そんな中、会社説明会には、気力を振り絞って参加した。そこでしか聞けない独自の話があるからだ。入社した新聞社は編集記者職では不採用だったが、ビジネス部門で採用された。休まず諦めず、悔しさを噛みしめながら就活を続けた、その成果だろう。

だからこそ後輩には「どこでどんな縁が転がっているか分かりません。マイペースでいいので、周りの人にも助けを借りながら自分の思うところに向かって、しっかり対策してください」

新聞社内の雰囲気は「部署によっては非常に殺伐としています。まだ遭遇はしていませんが、怒号が飛んだり…と。研修は軽いお手伝いばかりなので、もっと泥臭い業務があると思うと少し不安です」

辞令交付では、営業局への配属が決まった。

「これから自分が背負うであろう責任の大きさに少し不安もありつつ、今後の新しい人との出会いをとても楽しみに思いました」

その意気や良し、である。


◆大阪新卒応援ハローワークは、当所を利用して就職した若者を訪ねる定着支援事業を実施している。就活生である皆さんの先輩が今、何に悩み、何にやりがいを感じながら仕事に打ち込んでいるか。生の声をお伝えする。

(学ハロ新聞編集担当)

 

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